ENGINEERING HANDBOOK
アライメントカメラ光学系 設計ツール
カメラ・レンズ・ワーク・振動の条件から視野・分解能・被写界深度・回折を計算し、アライメント精度の誤差内訳と推奨設計値を出します。
- 倍率・焦点距離は薄レンズ近似。実レンズは主点位置・歪曲・MTFで数%以上ずれます
- 被写界深度・回折は教科書式。テレセンや特殊光学系では合いません
- 検出精度・振動の係数は推定なので既定はOFF。左の「推定係数」で入り切りできます
- 最終的な設計値は、必ずメーカー仕様書と実機での評価で確認してください
推定係数はすべてOFF。教科書式で計算できる項だけを足した数字です。
二乗和で合成しています。寄与率が大きい項を潰さないと、ほかを良くしても全体は変わりません。
1σ は「マーク1点あたり」、寄与率は「評価点での効き方」です。共通誤差(ステージ・ロボット・キャリブ・熱)はマーク数で平均化されないので、 1σ が小さくても寄与率が大きくなることがあります。並びは寄与率順です。
| 要因 | 1σ | 寄与率 |
|---|---|---|
| ワーク高さズレ(視差)視野中心からのマーク距離 2mm × 高さズレ ±0.5mm ÷ 作動距離 200mm = 最悪 5.0µm | 5.00µm | 50% |
| ステージ繰返し精度±5µm をそのまま 1σ として扱った値(±3σ の推定はOFF) | 5.00µm | 47% |
| マーク検出ばらつき分解能 5.75µm/画素 × 1/5画素 | 1.15µm | 3% |
| ステージ分解能最小移動量 1µm の量子化誤差(÷√12) | 0.29µm | 0% |
| 視野(横)縦 11.8mm | 14.1mm |
| 1画素あたりのズレ量1画素動くと現物で何µmか | 5.75µm |
| 倍率 β | 0.600× |
| 必要視野マーク×2+投入ばらつき×2 | 10.0mm |
| 被写界深度高さズレ全幅 1.00mm | 0.172mm |
| 回折スポット径画素ピッチ 3.45µm | 6.01µm |
| ピントズレによるボケ | 40.18µm |
| 振動によるブレ0.41 µm/ms | 0.83µm |
| センサー寸法対角 11.0mm | 8.45mm |
| マーク間距離マーク 2 点 | 612mm |
いまの条件から逆算した値です。そのまま発注せず、メーカーの視野計算表で裏を取ってください。
| 焦点距離計算値 91.6mm を標準品に丸めた値 | 100mm |
| F値高さズレを被写界深度に収める最小の絞り(F1.4〜F22) | F22 |
| 露光時間の上限ブレを1画素に収める露光時間。超えるならストロボ照明を検討 | 8.34ms |
| カメラ台数マーク1点に1台の前提 | 2台 |
| マーク間距離角度精度はここに反比例します | 612mm |
高さズレの全幅 1.00mm に対して被写界深度は 0.17mm です。ピントが外れた分だけマークがボケて、サブピクセル検出の精度が落ちます。絞るか、高さ方向の押さえを入れてください。
高さズレを被写界深度に収めるには F22 まで絞る必要がありますが、そこまで絞ると回折スポットが 47.2µm になり画素ピッチ 3.45µm を大きく超えます。絞りで解決できる範囲を出ています。ワークの高さを押さえる、倍率を下げる、テレセンにする、のいずれかが要ります。
回折とピントズレを合成したスポット径は 40.6µm です。実際にはサブピクセル検出の精度がここで落ちますが、「ボケによる検出精度の劣化」の推定がOFFのため、上の誤差には反映していません。影響を数字で見たいときはONにしてください。
この状態でカメラを高分解能にしても精度はほとんど上がりません。マークを視野中心に入れる(投入ばらつきを詰める)、作動距離を伸ばす、テレセンにする、ワークの高さを押さえる、のいずれかが先です。
主点間の距離を無視した近似です。実レンズでは作動距離の定義(レンズ前面から/主点から)でも数%ずれます。最終的な焦点距離はメーカーの視野計算表で確認してください。
画素 0.2 個分です。露光時間を短くするか整定を待てばこの量は減ります。位置ばらつきへの換算は推定なので、ONにしたときだけ誤差に加算します。
角度精度はマーク間距離に反比例します。マーク間距離を1.4倍にすれば、同じカメラのままで角度誤差は約7割になります。対角配置が効くのはこのためです。