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ラダー図の基本:接点・コイル・タイマーをPLC入門者向けに解説

最終更新日 2026-06-03読了時間 約4対象:生産技術担当者、設備設計者、電気設計初心者

この記事でわかること

ラダー図の読み方・書き方を接点・コイル・タイマーから解説。PLC初心者でも現場の制御プログラムが読めるようになる入門記事。トラブル時に自分で因果関係を追えるようになる。

1「ラダー図を見てください」と言われて固まった

設備が止まった。設備メーカーの担当者が駆けつけてパソコンを開き、こう言った。

「このラダー図を見てください。X10のセンサが入力されていないのが原因です」

画面には縦横の線が並ぶ図が表示されているが、何がどうなっているのかまったくわからない。

「ラダー図はソフト屋の仕事」と思っていると、トラブル対応を毎回メーカーに丸投げするしかなくなります。でも基本的な読み方を知っていれば、「なぜ止まったのか」の因果関係くらいは自分で追えます。

この記事では、ラダー図を読むために最低限必要な知識を整理します。


2ラダー図は「電気回路図の別表現」

ラダー図(Ladder Diagram)は、リレー回路を模したPLCのプログラム言語です。「梯子(ラダー)」のように見えることからこの名前がついています。

左右に縦線(電源ライン)が走り、その間に横のラングが並ぶ構造です。左の縦線から右の縦線に電気が流れると「コイルがONになる」というイメージで読みます。


34つの基本要素

①常開接点(a接点)

--[ ]--

信号がONのときに導通する。スイッチを押したときに回路がつながるイメージ。センサがONになったとき・ボタンを押したときなど、トリガーとなる条件に使う。

②常閉接点(b接点)

--[/]--

信号がOFFのときに導通する。a接点の逆。「エラーが出ていない」「扉が閉まっている」など、安全条件として使うことが多い。

③コイル(出力)

--( )--

左側の条件が成立したときにONになる出力。モータ起動・ランプ点灯・バルブ開など、実際に何かを動かす指令に使う。

④タイマー

--[TON T1 1000ms]--

条件がONになってから一定時間後に出力をONにする遅延タイマー(TON)が最も基本。「センサを検出して0.5秒後に次の動作へ」のような時間制御に使う。


4基本記号一覧

記号 名称 意味
[ ] 常開接点(a接点) 信号ONで導通
[/] 常閉接点(b接点) 信号OFFで導通
( ) コイル 条件成立で出力ON
(/) 否定コイル 条件成立で出力OFF
[TON] タイマー(遅延ON) 条件ON後、設定時間で出力ON
[TOF] タイマー(遅延OFF) 条件OFF後、設定時間で出力OFF
[CTU] カウンタ(加算) 入力のたびにカウント。設定値でON

5読み方の練習:AND回路

--[X0]--[X1]--( Y0 )--

読み方: X0がON、かつX1もONのとき、Y0がONになる。

現場例: 「ドアが閉まっている(X0)」かつ「スタートボタンを押した(X1)」ときに「モータが起動(Y0)」する。


6読み方の練習:OR回路

--[X0]--+--------+--( Y0 )--
        |        |
        --[X1]--+

読み方: X0がON、または X1がONのとき、Y0がONになる。

現場例: 「手動スタートボタン(X0)」または「自動スタート信号(X1)」でモータが起動。


7よくある失敗:b接点の読み間違い

ラダー図の初心者が一番やらかすのが、b接点(常閉接点)の読み間違いです。

[/] は「ONのとき止まる」ではなく「OFFのとき通る」です。非常停止ボタンは多くの場合b接点で設計されており、「ボタンを押していない(OFF)=回路が導通=動作できる」という状態になっています。

ボタンを押したとき(ON)に回路が切れて設備が止まる——このb接点の考え方が最初の壁です。


8グレーゾーン:a接点とb接点はどちらで設計すべきか

「安全に関わる信号はb接点(常閉)で設計する」が原則ですが、理由を知らないと混乱します。

b接点を使う理由: 配線が断線したとき、a接点では「信号OFF→設備が動き続ける」ことがある。b接点なら「配線断線→接点が切れる→設備停止」となり、フェールセーフになる。

非常停止・扉インターロックなど安全に関わる信号は、断線でも止まるようにb接点を使います。一方、通常の起動条件はa接点で問題ありません。


9ラダー図が読めると何が変わるか

  • 設備トラブル時に「どのセンサが入っていないか」を自分で確認できる
  • 設備メーカーへの問い合わせが「Y0が出ていないのですが原因は何ですか?」と具体化できる
  • 簡単な改造(タイマー値の変更など)を自分で判断できる

完全に自分でプログラムを書けなくても、読めるだけで保守対応のスピードが大きく変わります。


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この記事の執筆者

seigitech 編集部

生産技術・機械設計・自動化・MES・AIを専門とする実務エンジニア集団。 現場での実務経験をもとに、すぐに使える知識とノウハウを整理・発信しています。