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電気回路図・配線図の読み方|制御盤設計者が最初に覚える記号と読み順

最終更新日 2026-06-03読了時間 約5

この記事でわかること

電気図面が読めない、回路図と配線図の違いが分からない、トラブル時に図面を追えない。制御盤・設備の電気図面の読み方を現場で使えるレベルで整理します。

1「電気は専門外」では通用しない場面がある

生産技術・機械設計の担当者でも、設備トラブルの現場では電気図面を読む場面が来る。「電磁弁が動かない」「センサーが反応しない」——こういったトラブルの原因を追うには、回路図を見て電気の流れをたどる必要がある。

この記事では、制御盤・設備で使われる電気図面の種類と読み方の基本を整理する。


2電気図面の種類

図面の種類 内容 使いどころ
システム構成図(系統図) 電源からの系統・機器間の接続関係 全体把握・電源設計
回路図(シーケンス図) 制御回路の動作ロジック 動作確認・トラブル追跡
配線図(接続図) 実際の端子番号・配線の行き先 施工・配線確認
配置図(レイアウト図) 盤内機器の物理的な配置 機器の場所確認
PLCラダー図 PLCプログラムのロジック PLC制御のデバッグ

3回路図(シーケンス図)の読み方

基本構造

回路図は上下に電源ライン(L1・L2またはP24・N)を引き、その間に回路を横に並べて描く。

P24 (DC+24V) ─────────────────────
       │    │    │
     [SW1]  [SW2]  [CR1コイル]
      │    │    │
0V (GND) ─────────────────────

よく使う記号

記号 意味
─┤├─ 常開接点(a接点):通常はOFF、動作するとON
─┤/├─ 常閉接点(b接点):通常はON、動作するとOFF
─( )─ コイル:励磁されると接点が動作
─[M]─ モーター
─◇─ 電磁弁ソレノイド
─[R]─ 抵抗
─[F]─ ヒューズ
─[MC]─ 電磁接触器(マグネットコンタクタ)
─[OL]─ サーマルリレー(過負荷保護)

a接点とb接点の混乱を防ぐ

最初に混乱するのがa接点・b接点の使い分け。

  • a接点(常開): 普通は開いている(電流が流れない)。ボタンを押す・コイルが励磁されると閉じる
  • b接点(常閉): 普通は閉じている(電流が流れる)。ボタンを押す・コイルが励磁されると開く

非常停止ボタンがb接点になっているのは「断線しても安全側(回路が切れる)になる」フェイルセーフの設計。

回路図を読む手順

① 電源ラインを確認する(AC100V/200V、DC24V等)
② 保護回路(ヒューズ・ブレーカー)を確認する
③ 動作させたい出力(コイル・モーター・ソレノイド)を探す
④ そのコイルに電流が流れる条件(接点の組み合わせ)を追う
⑤ 各接点がどの機器・どのコイルに属するかを確認する

4配線図(接続図)の読み方

端子番号の体系

配線図では各機器の端子に番号が振られ、どの端子とどの端子をつなぐかが書かれている。

例:
機器A の端子3 ─── 機器B の端子7
        └── 端子台TB1-12

ワイヤーナンバー(電線番号)

配線図の電線には番号が付いている(例:W001、24V-OUT-1など)。この番号を手がかりに実機の配線を追える。

トラブル時の活用: 「この機器のX端子に来ているはずの信号が来ていない」→ 配線図でX端子のワイヤー番号を確認→ そのワイヤーの来源(前段の機器・端子台)を追う。


5主電回路(動力回路)の読み方

モーターの起動・停止を制御する回路。制御回路とは別に、大電流の主回路がある。

【典型的な直入起動回路】
R─[MCCB]─[MC主接点]─[OL]─U
S─[MCCB]─[MC主接点]─[OL]─V  → モーター(3相)
T─[MCCB]─[MC主接点]─[OL]─W

MCCB:配線用遮断器(過電流保護)
MC:電磁接触器(ON/OFF制御)
OL:サーマルリレー(過熱保護)

MC(電磁接触器)のコイルに制御回路からの信号が入ると主接点が閉じてモーターが回る。


6PLCラダー図との関係

最近の設備はPLCで制御するため、シーケンス図の多くがラダー図に置き換わっている。

ラダー図の基本:左母線と右母線の間に接点とコイルを並べる。接点からコイルまでの経路が「電流が流れる条件」。回路図のシーケンス図と考え方は同じ。

│─┤SW1├──┤SW2├──────────(Y001)│
│                               │
│─┤Y001├─┤SW3├──────────(Y002)│

→ SW1とSW2が両方ONでY001コイルがON → Y001がONかつSW3がONでY002がON

PLCラダー図の詳細はラダー図の基礎を参照。


7トラブル時の図面活用

出力(電磁弁・モーター)が動かないとき

① 出力機器の電源を確認(電圧測定)
② 配線図で出力コイルに来ているワイヤーを確認
③ 回路図でそのコイルが励磁される条件の接点を全て確認
④ 各接点の実際のON/OFF状態をテスターで確認
⑤ 条件が揃っているのに動かない → コイル断線・機器故障を疑う

センサーの信号が来ないとき

① センサーの電源電圧を確認(DC24V供給されているか)
② 配線図でセンサー出力のワイヤー番号を確認
③ そのワイヤーが接続されているPLC入力端子を確認
④ PLC側で入力点灯を確認(PLCのオンラインモニター活用)
⑤ センサーは反応しているのにPLCが読んでいない → 断線・ショートを疑う

8社内で説明するときの言い方

上司・設計者に対して: 「この電磁弁が動かない原因を回路図で追いました。Y005コイルの前にある安全リレーのb接点が開いていて、安全回路の異常信号が来ています。」

現場・保全担当に対して: 「配線図でこの端子番号W023を追うと、端子台TB2の12番に来ています。そこからセンサーまでの配線を確認してください。」


9まとめ:電気図面読み方の3ステップ

  1. 系統図で全体把握——電源の流れと機器構成を確認
  2. 回路図で動作条件を追う——コイルに至る接点の組み合わせを読む
  3. 配線図で実機を追う——端子番号・ワイヤー番号で現物と照合

次のステップ:

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この記事の執筆者

seigitech 編集部

生産技術・機械設計・自動化・MES・AIを専門とする実務エンジニア集団。 現場での実務経験をもとに、すぐに使える知識とノウハウを整理・発信しています。